日本の米が1年で2倍に高騰
日本のお米が高騰しています。この1年でほぼ2倍に値上がりしており、以前は10キロ買えた金額で今は5キロも買えず家計に大きな打撃を与えています。備蓄米が3月下旬頃から流通しているようですが、価格はなかなか下がりません。全国農業協同組合中央会(JA全中)の山野徹会長は米価格について「決して高いとは思っていません」と述べ消費者から強い批判を浴びています。
そこで注目されているのが韓国のお米です。価格は店によって日本の半額以下。中には3分の1近い安さで販売されています。今回の記事では韓国に旅行に行った際、ついでにお米を買う方法と空港で必須の検疫検査について取材してきました。
韓国のスーパーで米の価格調査 本当に安くてビックリ
東京のスーパーではブレンド米が5キロで4300~4400円前後。ひとめぼれやゆめぴりかなどの銘柄は5キロ4500円ほど。10キロだと8500円から9000円台前半という値段がついています。
では韓国ではいくらほどでしょうか。韓国を代表する大型ディスカウントスーパーのE-mart往十里店で調査してみました。
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推薦商品として山積みされている「イマッサリ」という韓国の国内産米は20キロで5万4900ウォン(約5500円)。仮に半分の10キロで計算すると日本円で2750円。日本の約3分の1という安さです。ちなみに韓国語の「サル」は日本語で「米」のこと。
有機農法のお米は4キロで約2000円という安さ
有機農法で栽培された「チョルウォンオデサル」は4キロで1万9980ウォン。日本円で約2000円です。
「シソナオンサル」は2キロで9980ウォン。日本円で約1000円です。
「ウォルヒャン(月郷)米」の1キロは5480ウォン。日本円で約550円。飛行機に乗る際、荷物の重量オーバーが気になるので今回はこの1キロ入りの米を購入することにしました。
検疫検査を忘れると帰国時に空港で没収 法的罰則も
農林水産省のホームページによると、国内に持ち込めない植物や検査証明書が必要な植物があります。お米も対象となります。違法な持ち込みは罰則の対象となり、検査証明書を添付せずに輸入した場合や輸入時の検査を受けなかった場合は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が課せられる場合があります。
韓国の空港ですること
米を購入したという証明書が必要となります。
釜山の金海国際空港の場合、1階ロビーにカフェがあります。その右側に「動物・植物検疫センター」の表示が出ています。その下の扉を自分で開いて奥へ進みます。
廊下の突き当りを左に曲がると入り口があります。
窓口は月曜から金曜の午前9時から午後6時まで。正午から午後1時までは昼食休憩のためクローズされます。土日や平日深夜便を利用する場合は注意が必要です。
ソウルの仁川国際空港の場合は、この「G」カウンターの奥に入り口があります。
トイレと薬局の間に入り口があります。
窓口業務は平日午前9時から午後5時半まで。正午から1時間、昼食休憩となります。釜山の金海国際空港の検疫窓口より30分早く終了します。
窓口の係員から下記の「輸出植物検疫申請書」をもらい、英文で必要箇所に記入をしていきます。それほど難しい作業はありません。申請時にはパスポート、搭乗チケット、現物の米を持参してください。記入が終わると、係員がパソコン端末に内容を入力していきます。5分ほどで「輸出植物検疫証明書」を出してくれますので、それを受け取り大切に保管します。この書類は日本の空港に到着して検疫検査を受ける際に提出が必要ですのでなくさないようにしてください。
留意したいのは混雑が予想される場合。係員は2人か3人しかいないので、申請者が多いとしばらく待たなければなりません。筆者が窓口に出向いた際は愛犬を海外に連れていきたい若いカップルが係員と長い時間しゃべっていました。飛行機の出発時間よりかなり早めに来ることを勧めます。
日本の空港に到着してからすること
LCCの場合、成田空港の第3ターミナルを利用することが多いです。入国審査を終えて先へ進むと植物検疫のブースが見えてきます。
ブースには誰もいません。大勢の入国者の対応に忙しいからだそうで、胸にIDを着けた空港職員に検疫担当者がどこにいるか尋ねると「あそこに立っている人です」とすぐに教えてくれます。
ブースに戻ってきた職員にパスポート、韓国の検疫センターで作ってもらった「輸出植物検疫証明書」、現物の米を提示します。それほど厳重に審査されるわけではありません。検疫の手続きがきちんとなされていれば問題ありません。こちらのブースで行う作業は「米穀の輸入に関する届出書(個人用として輸入する場合)」への記入です。
日付け、住所、氏名、積み出し国、輸入の時期(搭乗日のこと)、今回の輸入数量、輸入を行う日からさかのぼって1年間に個人用として輸入した数量の合計、以上を順次記入していきます。書類は複写されて計2枚となります。
そして最後の手続きです。パスポート、米の現物、先ほど検疫ブースで記入した「米穀の輸入に関する届出書(個人用として輸入する場合)」を係官に提示します。書類が確認・認証されればOKです。これですべて終了となります。
空港関係者によると、最近、韓国から帰国した観光客の多くが韓国の米を土産に買ってくるといいます。個人用は上限が年間100キロなので、中には60キロ、70キロの米を持ち込む日本人がいるそうです。韓国では日本で人気のコシヒカリも販売されています。4キロで約2400円でした。
安全面においても農薬使用量は日本より少ない、という指摘があります。このように注目を集める韓国のお米。日本のお米と同じように韓国の食堂で出されるご飯はどこでも美味しく感じます。
検疫の手続きを知らないまま通関すると没収は免れません。韓国のお米を日本に持ち込む際は十分、気を付けてください。
【了】