約20kmにわたる海岸線にさまざまな魅力をもつビーチが並ぶパタヤ。北側のノースパタヤには世界的人気を誇る大型高級リゾートホテルが建ち並び、南側のジョムティエンビーチは超高層コンドミニアムが多くのどかで落ち着いた雰囲気。
その真ん中に位置するパタヤ・ビーチの代表的なランドマークがヒルトン パタヤ ホテルだ。大型ショッピングモールの「セントラル・フェスティバル・パタヤビーチ」と直結しておりいつも大勢の観光客で賑わっている。静かに過ごしたい人はノースパタヤ(北側エリア)、派手なナイトライフを楽しみたい人は喧騒に包まれたウォーキングストリートにほど近いサウスパタヤ(南側エリア)で宿泊先を探すことになる。
当ブログは、値の張る高級ホテルでぜいたくに過ごす、というよりはアジア的混沌(こんとん)とタイの熱気を感じながらリーズナブルに過ごしたい、と考える旅行客を想定している。それなら「ソイ・ブアカオ」周辺のホテルをオススメしたい。「ブアカオ」とはタイ語で「白い蓮」といった意味。仏陀の誕生を蓮の花にたとえた宗教的な意味を持っている。混濁した泥の中から花が咲く、という意味であるならば「ソイ・ブアカオ」という環境そのものが混濁としたエリア、とも言えそうだ。
その言葉通り、雑然としたこのエリアには安価なホテルがひしめき合いその多くは老朽化が否めないが、狭苦しくて圧迫感のある日本のビジネスホテルよりはずっと広くて気分がいい。パタヤでは20平米以上の広々とした部屋が1泊2000円台から予約できる。3000円台、4000円台、5000円台、6000円台と値段が高くなるにつれて部屋のグレードも目に見えてアップしていく。安値のホテルはプールなし、あっても狭い。値段が高くなるほど部屋やプールのレベルが豪華になっていく。
下の写真はサワスディー シアム パタヤで1泊2000円台前半。格安ホテルとしては例外的に1階敷地内にプールがある。
こちらは5~6000円台のアレカ ロッジ ホテル(Areca Lodge Hotel )。広々としたプールが2か所あり、南国の草花や樹木に囲まれていて美しい。コロナ前は4000円台だったが、改装などを経てずいぶん値上がりした。それでもどんちゃん騒ぎが深夜まで続くLKメトロまで至近距離のため欧米人の間で人気が高い。
気を付けてほしいのは、セカンドロードとソイ・ブアカオをつなぐいくつかの路地のホテル。正面玄関やレセプションが立派でも、軒を連ねているため建物と建物の間隔が狭く、肝心の部屋の眺望が著しく悪いという事例がたくさんある。窓を空けると外はすぐ隣のビルの壁、従って昼間も部屋が暗くて気が沈む、といった悲劇を避けるためには、広い敷地内に建っている比較的大型のホテルを選ぶべきだろう。
窓からの眺望が良いということは風通しも良いということなので洗濯物もすぐ乾く。旅行予約サイトのagodaでは部屋の「特別リクエスト」が出せるので「さらにリクエストを追加」ボタンから「高層階のお部屋」にチェックを入れてみよう。ただし、最上階の部屋になると日中の日照りによる熱気が天井壁面にこもって部屋全体が異様に暑い場合があるので注意が必要だ。
旅行サイトに掲載されているホテルの写真は顧客を引き付けるためどれも美しく見せているが、実際に泊まってみるとひどく老朽化していてガッカリすることがけっこうある。中でも困るのは洗面台の排水口にあるはずの蓋(ふた)が壊れていたりなかったりするケース。水道の水が溜められないので洗濯ができないし、何より衛生面で問題がある。またセイフティーボックスが壊れていて使い物にならないこともある。
せっかく世界屈指のビーチリゾートにはるばる来たのだから、ひとり旅であっても快適な宿泊環境で南国気分を思いっきり堪能したい。そうすれば気分転換になるし心も晴れやかになるはずだ。翌朝はゆっくり過ごしたいだろうが、たまにチェックアウトが午前11時というホテルがある。多くのホテルは正午まで部屋にいられるのに、午前11時に退室するということはそれだけ早く炎天下に放り出されることになる。ロビーのソファで時間をつぶすとしても意外にくつろげない。予約時によく確認しておきたい。
経験則からホテル予約時、宿泊時の注意ポイントをごく簡単にまとめてみた。
1)広い敷地内に建っていて両隣の建物と距離があること。窓からの眺望に留意 2)チェックインして部屋に入ったらすぐに洗面台の排水口の蓋の有無を確認すること。異常がある場合は部屋のチェンジを申し出る。他の備品に手を付けなければたいがいは応じてくれる。 3)セイフティーボックスの状態を確認すること。壊れていたら部屋のチェンジを頼む 4)冷蔵庫を開けて中をチェックすること。ごくたまにカビが目立ち臭いことがある。こちらも許容できない場合はルームチェンジを申し出る 5)チェックアウトは昼11時?12時? 予約時に確認を
少なくとも以上5点は押さえておきたい。
ちなみに、こちらはDアパートメント パタヤで1泊2300円ほど。日当たり抜群で何より眺望が良い。筆者が泊まった部屋は排水口、セイフティーボックス、冷蔵庫、どれも問題なし。朝の目覚めから日当たりがよく気分爽快だ。ただしチェックアウトは午前11 時。他にもこんな感じの部屋はパタヤにはたくさんあるのでぜひ探してみてください。幸運を祈ります!(※宿泊費は執筆時。予約状況や為替などによって日々変動します)