ベトナムの“熱海”と呼ばれている南部のビーチ都市・ブンタウには現地ならではの名物料理があるという。それはバインコット(Bánh khọt )。「バインセオ」がベトナム風お好み焼きなら、「バインコット」はベトナム風かき揚げか。バインとはおおまかに大阪でいうところの「粉もの」。小麦粉や米粉を使った料理という意味だ。広く見れば「バインミー」もその仲間でフランスパンを使ったサンドウィッチのことだ。
水シャワーしか出ないことで意を決しホテルをチェンジした私。系列の振り替え先ホテル「ジョイ ブティック バイ トゥルック」を午前9時頃に外出しフロントビーチ周辺を散策していて偶然、見つけたのが「バインコット14」というお店だ。この日は日曜日とあって大勢の地元民が集まっている。すぐ隣のエリアにはブンタウ海鮮市場が広がっているので活気があるのだ。


店内はほぼ満席だったが、4人がけの1テーブルだけ空いていたのでそこに着席。壁にあるメニューを見て、いちばん左の上に書いてある「Bánh khọt TOM」を注文。6万5000ドンだ。
- Bánh tôm (バイントム): 海老のサツマイモかき揚げ。ハノイ名物。
- Muối tôm (ムオイトム): 海老を使った旨味のあるピリ辛塩。
- Bún đậu mắm tôm (ブンダウマムトム): 小エビを発酵させたソース(マムトム)で食べる麺料理。
- Tôm chiên (トムチエン): 海老の揚げ物。

注文を済ませるとすぐに運ばれてくる野菜類。レタス、ロメインレタス、シソ、ミント、バジル系など大量にある。右下はバインミー(ベトナム風フランスパンのサンドウィッチ)の中によく入っている大根とニンジンの甘酸っぱいピクルス。

5分ほどで運ばれてきた。えらいゴージャスな見た目だ。

揚げたてのアツアツが計8個。

ぷりぷりのエビが旨そうだ。

タレの作り方に戸惑っていると、店員さんが教えてくれた。白いお椀の中の甘酸っぱいタレの中にお好みで唐辛子とニンニクペーストを入れてよくかき混ぜる。

すると、こんな赤と白が溶け合ったタレが完成。もちろん、ライムも2個搾ってお椀の中にたらす。

バインコットを野菜でくるんでタレにつけ、口をめいっぱい広げて一気にほうばる。揚げた小麦粉のシャキシャキ感にエビのぷりぷりさ、ハーブ野菜の鮮烈さが口の中で混ざり合い、至福の味わいだ。

他のお客さんもほとんどがこれを食べている。

調理場はオープンになっていて観光客がしきりにカメラを向けていた。ボコボコと凹みがある鍋にたっぷりの油を注ぎ、それぞれの凹みの中に水で溶いた小麦粉を投入。ある程度、固まってきたらエビを追加で投入という順番のようだ。


調理のおばさんたちははねてくる高音の油から身を守るため、顔にマスク、ぐるぐるタオル、さらに帽子をかぶるなど完全防御だ。

バインコットのことを「ベトナムのパンケーキ」と呼んでいるサイトもあるが、食べてみて実感したのは、これはエビのミニかき揚げである、ということ。


具材はエビのほか、ホタルイカなどもある。

食べてみての感想だが、事実上のかき揚げであるため、大量に食べると胸やけがするだろう。なので計8個というのは絶妙な個数だ。これより少ないと、やや物足りないし、これより多いと胸やけまっしぐらだ。大量の野菜類とニンニク唐辛子タレで油っこさは緩和されるものの、やはり計8個というのが均衡点ではないか。野菜類が大量に摂取できるのでヘルシーでもある。
週末になると大量の地元民が押し掛ける人気店のようだ。調理の現場も撮影できるとあって、レストランというより一種のアトラクションとして楽しめる店のような気がする。お会計はお手拭きナプキン代2000ドンを加えた6万7000ドン。お腹は大満足だ。
ブンタウ市内にはほかにもバインコットの店があちこちにあるので、次回はロッテマート近くのローカル店を紹介したい。
【ブンタウのバインコット店】
【バインコット14】

