鉄道のニャチャン駅から西の方へ10分ほど歩くと上空に白い大仏像が浮かんで見える。そこが隆山寺だ。
ライトアップされている石塔。「祈願 世界平和」と彫られている。奥に進むと読経の声。大勢の市民が集まっており和尚の読経を熱心に聞いていた。
ところで気になったのは正面入ってすぐ左手の料理店。スタッフは「ここの料理はすべて野菜系です。肉は使っていません」。仏教寺だけに肉を使わない料理を提供しているのだ。
おいしそうな肉料理(のように見える)が並んでいるが、実はすべて自然系素材。
お値段はけっこう安い。ほぼ2万5000ドン(約150円)。おすすめを聞くと上から2番目の「BUN HUE」を勧められた。
運ばれてきたのがこの麺料理。フエ風の米麺。
スープは甘さと酸味、魚醤の香りが融合したこくのある味わい。タマネギを丸ごと何個も入れてスープを作っているようだ。トッピングは刻みネギ、牛肉のような謎肉とはんぺん、ニンジン、豆腐。
これはどう見ても牛肉だ。味もそっくり。
ジュース類にココナツまで品ぞろい豊富だ。
「BUN」とは押し出し麺のこと。 ところてんのような細かい穴の開いた機器に食材を入れ押し出して成型した麺だ。縮れ麺やストレート麺もある。だいたい鶏肉や豚肉、魚のはんぺんなどが乗っているが、精進料理のこちらのBUNはスープはスッキリ、肉類は一切使っていないので素朴な味わいが特徴だ。仏の御心に触れたような食体験だった。