「名無し食堂」として旅行者の間でつとに有名な食堂。その名も「名無し食堂」。名前がないからといって料理まで“味気ない”というわけでは決してない。欧米系の旅行者は壁に張ってあるメニューの上の方から注文しているようで、だいたいカオマンガイか麺類であるところのクイッティヤオを食べている。しかし、よくよくメニューを眺めていると、美味しそうな料理がけっこうズラリと並んでいるのだ。
そこで今回は旅行者がめったに注文しないであろうメニューを意図的に選んで注文してみた。
1番から順番に見ていこうと、メニューを手にしたところすぐに「3番」のメニューが目に飛び込んできた。
「Spicy Soup with squid and shrimp+Rice 90.-」
これって、トムヤムクンではないの? トムヤムクンにライスが付いているセットのことかも。気になり早速注文。5分ほどして運ばれてきたのは…おお! これぞトムヤムクンではないか!
粒よりのエビがゴロっと入っている。スープは真っ赤。まさにトムヤムクン。スープはねっとりしていてほどよい刺激。下に絡みつく辛味に混じって香辛料の酸味、甘味、旨味が溶け合っている。いい味だ。
イカも大き目の輪切りがいくつも入っている。
スープとエビ、イカ、そしてご飯を交互に口に運んでいると、アッという間に完食だ。
スープを飲み干すとショウガ、唐辛子、レモングラス、コブミカンの葉っぱが入っているのが確認できた。かなり本格的なトムヤムクンであった。
今回、トムヤムクンをおかずにご飯を食べても良いことを改めて知った。これは収穫だ。しかもお値段は90バーツ。約400円。それにしても名無し食堂でこんなに美味しいトムヤムクンが食べられるとは知らなかった。セカンドロードやビーチロード沿いのレストランに行くと、150バーツから200バーツもする。パタヤでトムヤムクンが食べたくなったら名無し食堂一択だ。

