厦門航空に初搭乗 バンコクから成田空港へ 乗り継ぎで厦門のシティホテル無料のお得路線

空路

バンコクから東京へ戻る際、直行便や経由便を合わせると選択肢がたくさんある。例えば、10月25日の片道直行便だとタイ・エアアジアXが2万8000円、タイ国際航空が4万5000円から6万円、ZIPAIRが5万3000円、日本航空は9万8000円ほど。これに比べ乗り継ぎ便はぐっと安くなり、クアラルンプール経由のエアアジア ブルハドとエアアジア X ブルハドが2万2000円、ホーチミン経由のベトジェットエアが2万3000円ほどとなっている(Trip.com、10月14日調べ)。

10月初旬にバンコク⇒東京行きの航空便を探していたところ、最安値だったのが厦門航空だった。中国の厦門経由で2万300円とかなり安い。躊躇しているうちに2万2000円に値上がりしてしまったので、思い切って予約した。それでもこの路線では最安値圏だ。聞きなれないフライトだが、スカイチームに加盟している。

チケットはバンコク⇒厦門、厦門⇒成田を通しで購入したが、スワンナプーム空港の厦門航空カウンターの職員からは「厦門で中国に入国してから改めて厦門⇒成田のチケットを発券してもらってください」との要請。いざとなれば空港内のベンチで仮眠をとろうと思っていたのだが、一度空港の外に出なければならないようで少々困惑。ところが、ネットで調べると、トランジットの乗客にはホテルを無料で手配してくれるらしい。手続き方法やホテルのグレードなどに興味がわいてきた。バンコク・スワンナプーム空港を午後5時35分発。この路線の最安値とはいえ、LCCではないため機内サービスがある。まずはおつまみとミネラルウォーター、マフィン、乳酸菌飲料。

次いで機内食が運ばれてきた。チャーハンと鴨肉ライスの2種類あり、筆者は鴨肉ライスを選択。飲み物としてまずはコーヒーを頼んだが、確認のため「ビールはありますか?」と尋ねると、「有(あります)」とのうれしい返事が。

アルコール度数3.5度で味は薄目。ちなみに冷えていない。中国人は冷たい飲み物をがぶがぶ飲む習慣がないからだ。肌寒い季節になってくれば、ぬるいビールもそれほど悪くはない。

さて、約3時間半かけて厦門の高崎国際空港に到着。時刻は中国時間の午後10時30分。イミグレーションの手前で健康チェックアプリの各項目に症状の有無などを入力するのだが、これがけっこう厄介。ただ、係の女性職員2名が乗客1人ひとりのスマホをのぞきこんでWi-Fiの接続や入力方法をサポートしてくれたので時間はかかったが、難なく入国できた。次にすべきは今晩泊まるホテルの手配をしてもらうこと。厦門航空のトランジット客専用カウンターはすでに長蛇の列。

順番待ちで20分ほど並び、自分の番に。女性職員は「2人で泊まる場合は無料、1人の場合は追加で140元(約3000円)払えば他の客との相部屋ではなくなります。ホテルへはタクシーで行ってください。タクシー代は自費です」と説明した。知らない人と相部屋になるのはさすがに避けたいため、140元の支払いを選んだ。その後、急いでタクシー乗り場へ。

カウンターで受け取った予約案内書をタクシーの運転手に見せて、「厦航ホテル」へ向かう。タクシー代がいったいいくらかかるのか見当もつかない。高速道路を飛ばして15分ほど。目的地に到着した。運賃は深夜料金で28元ほど(約600円)。想像していたのとは正反対の瀟洒で立派なホテルだ。下の写真は翌朝撮影したもの。予約サイトのagodaでは「Airline Hotel」という名で紹介されている。1泊1万円前後だから、得した気分だ。

翌朝の厦門⇒成田空港行きは午前8時30分出発。午後6時に起床し6時半にホテルを出発した。ホテルの正面玄関前にはトランジット客目当てのタクシーが何台も停まっていた。朝食無料だが、午前7時開始なので諦めざるを得なかった。

道路は渋滞もなく快適。運転手は時速95キロですっ飛ばしていく。15分ほどで空港に到着。運賃はなぜか昨晩の深夜料金より高い32元(700円)だった。

空港の厦門航空トランジット専用カウンターには昨晩の機内で見かけた面々が大勢並んでいた。発券後、手荷物検査、出国手続き、そしてゲートへ向かう。手荷物検査はかなり厳重だった。機材は昨晩よりグレードアップ。モニターで映画も見ることができる。

昨晩のフライト同様、機内食が運ばれてきた。今回はチャーハンとチキンライス。チキンライスを選ぶと、野菜も入っていてなかなか美味。リンゴとミニトマトも付いてきた。チキンライス左隣の青い袋の中にはダイコンの漬け物が入っていた。かなりしょっぱい。

4時間10分の飛行で午後1時40分に成田空港に到着した。

厦門ではホテル周辺にコンビニ店が何軒もあり、徒歩5分ほど行くとシーフード料理店が集積する大規模な繁華街もある。午前0時を過ぎてもお店自体は営業しており地元客も大勢食事を楽しんでいたので、睡眠時間を削れば厦門の食事と雰囲気を楽しむことができそうだ。急ぐ旅ではなかったので、今回の厦門航空という選択は結果的になかなか良かった。機内食の他、ミドルクラスの快適なシティホテルにも泊まれた。早朝起床は少しつらいところだが、それを除けば実に楽しい旅となった。